膿皮症

膿皮症とは、皮膚に細菌が感染することが原因で起こる皮膚病で、犬では最も一般的な皮膚病です。

「細菌が感染する」と書くと、どこか別の場所から悪い菌が皮膚に付着したと思われがちですが、基本的に膿皮症を起こす菌は元々動物の皮膚に普通に住んでいて“何かの原因で”この菌が増え過ぎてしまって、菌が毛穴に入り込むことで膿皮症が発症します。

<表皮小環:円形の皮膚病の周囲にリング状のフケが付着した湿疹を表した言葉。膿皮症でよく観察される>

 

ですから、“誰から感染させられた”とか“誰かに感染させる”という心配はありません。

あくまで、自分が持っている菌が増え過ぎた事が理由ですから。


さて先ほど述べた通り、膿皮症は犬では最もよく遭遇する皮膚病であり、よほど厄介なことになっていない限り普通に治療をすれば症状は改善しますが、問題は再発の多さです。

通常、膿皮症は皮膚の状況が正常なら起こらないはずなので、膿皮症が起きるという事は、皮膚の状況が正常ではなくなる“何かの原因”があるはずです。

そして膿皮症の再発を繰り返すののであれば、“その何かの原因が解決していない”という事になります。

再発性の膿皮症を治療ためには、この膿皮症の“基礎”となっている原因を追究する必要があります。

アレルギーがあるかもしれない・・・
皮膚に寄生虫がいるかもしれない・・・
ホルモンの異常かもしれない・・・
シャンプーの方法が不適切だからかもしれない・・・
体がベタベタになりやすい体質だからかもしれない・・・

このような感じで膿皮症の治療は簡単なようで、実はとても奥が深いです。

膿皮症は一番ありふれた皮膚病だけに一番難しい病気なのかもしれません。