肉芽腫性脂腺炎と言えば秋田犬!!
と言うくらい、秋田犬で好発する皮膚病です。
皮膚の中には皮脂腺というものがあり、皮脂を分泌することで皮膚の乾燥や、毛のパサつきを抑えています。
その皮脂腺が、だんだんと壊れていって、最終的には無くなってしまう奇病が今回紹介する肉芽腫性脂腺炎です。
皮脂腺が無くなってしまうと、結果として皮膚の表面が乾燥してフケが出てきたり、毛の光沢が無くなってギシギシした感じになってきます。
もちろん、皮膚がそんな感じになってしまうと細菌などが繁殖するため、痒みも伴うような皮膚病も併発してしまうという結構やっかいな病気です。
今回紹介する秋田犬も、「抗生剤を飲んでも治らない皮膚病」ということでした。
ちょっとした見た目では、フケがボソボソついている程度です
ただ、秋田犬は毛が密に生えていて詳しい皮膚の状態が分りにくいので、皮膚病のある場所の毛を刈らせて頂いたところ・・・
結構ひどい皮膚病でした。
この時点で、「秋田犬+難治性の皮膚病+この見た目=肉芽腫性脂腺炎」でほぼほぼ正解だろうとは思ったのですが、この病気は治療がちょっと特別になるので、「たぶん肉芽腫性脂腺炎だから、とりあえず治療を開始しよう」ではなく、「この皮膚病は肉芽腫性脂腺炎に間違えなし!!」と診断を確定させておく必要があります。
そういう理由で、検査をさせて頂いた結果、やっぱり肉芽腫性脂腺炎でした。
秋田犬以外だけでなく、スタンダード・プードルでも肉芽腫性脂腺炎が好発傾向にありますが、日本ではスタンダード・プードルの飼育頭数が少ないので、スタンダード・プードルの肉芽腫性脂腺炎に遭遇することは滅多にありません。
しかしながら、最近の人気犬種である「ラブラドゥードル」や「ゴールデンドゥードル」のはスタンダード・プードルの血統が入っているので肉芽腫性脂腺炎の見落としに注意が必要です。