淡色被毛脱毛症

グレーやブルーと言われる毛の色は、元々は“黒色”の毛であったものが、遺伝子の影響で色が薄くなった作り出された毛色です。
このように、毛が本来の毛色がちょっと薄くなることを“淡色化”したと言います。
そして、なぜだか分りませんが、この淡色化した毛だけが選択的に抜けてきてしまう皮膚病があります。
それが「淡色被毛脱毛症」です

<淡色被毛脱毛症のチワワ:白い毛の部分はしっかり生えていますが、グレーの毛が生えていた部分だけが脱毛して皮膚が露出している>


この皮膚病は毛が薄くなるだけで、特にそれ以外の健康面に関しての問題はありませんが、散歩していると目立つため、やはり飼い主さんとしては気になってしまうようです。




淡色被毛脱毛症は淡色化した被毛を持つ犬であれば、どの犬種でも起こる可能性があるようですが、やはり圧倒的に遭遇する確率が多い犬種は、「イタリアン・グレーハウンド」ですね。




その名の通り、全身がグレーの毛で覆われているので、もし淡色被毛脱毛症を発症してしまうと、ほぼ全身の毛が抜けてしまいます。
このイタグレ君も肩と首のあたりのやや黒っぽい毛のところ以外は、ほぼ毛が無くなってしまっています。


さて今までのところこの病気の発生メカニズムの詳細は分っていないため、確立した治療法もありませんが、あるサプリメントを使用すると毛が復活するいうことは以前から言われていました。



という訳で、イタグレ君にも、そのサプリメントを飲んでもらうことに。


<投与前>


 

 

 


<投与後>

 


はい!見事に濃くてしっかりとした毛が生えてきました!!


先ほど、淡色被毛脱毛症に確立した治療法はないと書きましたが、個人的にはこのサプリメントでの治療効果は高い気がしています。もちろん全く生えないというケースもありましたが・・・

そして、この皮膚病のもう1つの不思議なところが、ネコでは遭遇したことがありません。。
ネコでもロシアンブルーのように淡色化した毛を持つ種類がいますが、“淡色被毛脱毛症になったロシアンブルー”という話は今までに1度も聞いたことがないですね。


謎多き皮膚病“淡色被毛脱毛症”の解説でした。