ノミが皮膚を刺して痒くなる皮膚病には、実は２つのタイプがあります。

１つ目は、いわゆる“虫刺され”というもので、こちらのタイプはそれほど重篤な症状ではないので、そんなには大きな問題になりません。ノミが刺した場所がちょっと赤くなって少し痒くなる程度です。

実際、大量にノミが寄生していてもほとんど無症状なんてこともありますし、実際、あるチワワをシャンプーしたら、下の写真の量のノミが体から捕獲できましたが、当のチワワ君はまったく痒みがなく、飼い主さんノミが寄生してことに気がつていませんでした。

 

 

 

皮膚病として問題となるのは、“ノミアレルギー性皮膚炎”と呼ばれる別のタイプの皮膚病です。

“ノミアレルギー性皮膚炎”は“虫刺され”の場合のように、刺された場所が痒いのではなく、ノミに刺されることで全身にアレルギー反応が起こる為、刺された場所とは無関係の広範囲な皮膚に激しい痒みを伴う皮膚炎が発症します。

しかも、さらに理論上は少数のノミが寄生しているだけでも、このアレルギー反応は起きる可能性があるため、“ノミアレルギー性皮膚炎”だったとしても、ノミを見つけ出せない事があります。

さらに、この“ノミアレルギー性皮膚炎”の症状は、イヌとネコでは異なる為、さらにこの病気の診断を複雑にしています。

そのような理由から、ノミアレルギー性皮膚炎が起こってから治療するよりも、まずは発症させないことを一番に考えて、事前にノミ予防をしっかりしておくことをお勧めします。

ちなみに、イヌとネコに寄生するノミには、“イヌノミ”と“ネコノミ”の２種類のノミが知られていますが、イヌもネコでも寄生しているノミのほとんどが“ネコノミ”だそうです。